テックウェア界の最高峰として長きに渡って君臨し続けるACRONYM(アクロニウム)。今回はそんなアクロニウムの歴史を振り返りながら、どこよりも詳しく深掘って解説いたします!(気合を入れて書いたので、今回の記事は長いです!)
ファッションフリーク、いわゆる服バカ達がこぞって崇拝するカリスマブランドACRONYM(アクロニウム)とそのデザイナーErrolson Hugh(エロルソン・ヒュー)。
「アクロニウムは高すぎるからユニクロやGUで十分」という方も、今回の記事を読み終わる頃にはきっとACRONYM(アクロニウム)の服が欲しくなるはず…
もしくはエロルソン・ヒューの関わるブランドの服が欲しくなるはずです!!
ちなみにデザイナーのErrolson Hugh(エロルソン・ヒュー)はNike(ナイキ)やBurton(バートン)、Arc’teryx(アークテリクス)、Stone Island(ストーンアイランド)、Tilak(ティラック)など、名だたるブランドに引っ張りだこのカリスマデザイナーです。
今回の記事を読めばACRONYM(アクロニウム)についてかなり詳しくなれること間違いなしですので、ACRONYM(アクロニウム)、そしてErrolson Hugh(エロルソン・ヒュー)に興味のある方はぜひ最後までチェックしてみてください!
ACRONYM(アクロニウム)とは?
ACRONYM(アクロニウム)のデザイナー、エロルソン・ヒュー(Errolson Hugh)は中国系ジャマイカ人の両親の元、カナダで生まれ育ち、デザイナーとして様々なアウトドア・スポーツウェアブランドで経験を積みキャリアをスタート。
仕事をする中で様々なテクノロジーをデイリーウェアに落とし込めないか日々フラストレーションを感じ始め、実験的にアウトドアウェアやスポーツウェアで使用されているような素材や技術を用いて洋服を製作し、様々なメーカーに提案。
しかしどのメーカーも「高すぎる」ことと、「これを着る人が想像できない」という理由で採用されることはありませんでした。そこで自分でブランドを立ち上げることを決意し、1995年にパートナーであり共同オーナーのMichaela Sachenbacherv(ミハエル・サッチェンバッハー)と共にドイツを拠点にACRONYM dynamics(アクロニウム・ダイナミックス)社をスタートさせます。
設立当初はスポーツやアウトドア業界にコンサルティングサービスを提供するデザインエージェンシーとして活動し、最初はドイツのスノーボード会社Protective(プロテクティブ)と契約し、デザインを提供。その後、かの有名なスノーボードブランドBurton(バートン)とも契約し、デザインを請け負うことになります。
エロルソン・ヒューがデザインしたBurton(バートン)のジャケットで有名なのがこちら!
2002年発売「BURTON ANALOG minidisc player jacket(AMP JACKET)」MDプレイヤーを入れて音楽が聴けるという画期的なゴアテックスジャケットです。
ACRONYM(アクロニウム)の誕生と伝説のファーストコレクションKIT-1
バートンのデザインを請け負う傍ら、エロルソン・ヒューはACRONYM(アクロニウム)を独立したブランドとして立ち上げ、2002年にアクロニウムとして初のコレクションとなるKIT-1(キット1)を限定120セットで発売。
制作に約3年という期間を要した渾身のファーストエディションは「ジャケット、バッグ、サウンドトラック、ソフトウェア、コンセプトアートのカタログ」を一つのパッケージにしたACRONYM(アクロニウム)の世界観をふんだんに詰め込んだ内容でリリースし、ファッション業界に衝撃を与えました。
フランスのパリにある感度の高い有名セレクトショップ「COLETTE(コレット)」(2017年末に閉店)でも販売され、ファッションフリーク達や有名人を中心に話題になりました。KIT-1の発売から約一年後の2003年秋冬に初めてのフルコレクションを発表し、口コミのみで徐々に人気を博していきます。
アクロニウムは設立当初から広告や宣伝にお金をかけず、資金の全てを製品開発に回すという、まさに職人気質なブランド。製品のクオリティを世界最高と言えるほど、とことんまで追求し、「モノの凄み」だけで広まった稀有なブランドです。
↓こちらがKIT-1
このKIT-1に入っていたジャケットがJ1Aというモデルで、ACRONYM(アクロニウム)の顔とも言うべき凝った機能が詰め込まれた人気のモデルになります。その後も改良を重ね、様々なバージョンが発表されました。
その一部がこちら↓
↑こちらはJ1A-GT
↑こちらはJ1L-GT
アクロニウムの服をまだ買ったことがないと言う方は、J1A系のジャケットがお勧めです。
アクロニウムの全商品を紹介すると、とんでもなく長い記事になってしまうので、このJ1Aに備わっている代表的な機能をご紹介。
特許も取得しているACRONYM(アクロニウム)J1Aジャケットの機能
Jacketsling(ジャケットスリング)
ストラップ(スリング)を付けてジャケットを運ぶことができます。
Gravity Pocket(グラビティポケット)
スマートフォンなどのアイテムを収納できる袖に備わった内部スリーブポケットで、必要なときにサッとアイテムを取り出すことができます。
Sound Forcelock(サウンドフォースロック)
ジャケットを着用している間、イヤフォンを襟にくっつけることができる隠された磁気機能。
Interops(インターロップ)
ユーザーが最初にバッグを外さなくても、アウターウェアを簡単に取り外したり着たりできるようにします。また、ジャケットの内側に相互運用バッグを収納することもできます。
EscapeZip(エスケープジップ)
ジッパーを上まで引き上げることでYKK製のジッパーが外れ、ジャケットをすばやく脱ぐことが出来る機能。
アウトドアブランドTilak(ティラック)との出会い
エロルソン・ヒューは「アウトドア・スポーツ・ミリタリー 」など、合理的かつ機能的なデザインを、高機能な素材を使用して高次元で融合し、さらにファッション性も追求する、職人気質で完璧を求める拘りの強いデザイナー。
そんな彼が何としても使いたかった素材は、アウトドア界を席巻していた高機能素材「ゴアテックス」。ゴアテックスを製造する「W.L. GORE社」にゴアテックスを使ってアパレルを作ることができないか相談したところ、ヨーロッパにはアウトドアブランドのTilak(ティラック)以外にエロルソンの求める服を作れる会社がないと言われ、2000年にエロルソンはティラックのCEO、ローマン・カムラーのもとを訪れ、運命的な出会いを果たすことになります。
Tilak(ティラック)のローマン・カムラーはアクロニウムのウェアを製造するかわりに、Tilak(ティラック)のデザインを作って欲しいと、大胆にもエロルソンに依頼。そこからACRONYM(アクロニウム)とTilak(ティラック)の良好な関係は20年以上続き、現在でもアクロニウムの服はティラックの工場で製造され続けています。
ちなみに、アクロニウムが世界的に成功したことで、エロルソンはGORE-TEX(ゴアテックス)社のアドバイザーに就任することになります。ゴアテックスのアドバイザーになったことで最新のゴアテックス製品はアクロニウムで採用することができ、本来アウトドア系以外のブランドでは最新の製品を使用することが出来ないにも関わらず新製品の使用が認められるなど、異例のポジションを獲得。その恩恵をフルで生かしている辺りも凄いポイントです。
Tilak(ティラック)とは?
Tilak(ティラック)社は登山家Roman Kamler(ローマン・カムラー)氏によって寝袋を製造する会社として1986年よりスタートしたアウトドアブランド。世界有数のクライマーを輩出する東欧のチェコ共和国に拠点を置き、1993年にはゴアテックス社と契約。2000年にTilakのアパレルラインがアクロニウムのエロルソン・ヒューと協業することで誕生します。ティラックの製品は一貫した自社工場での生産管理を行い、高いクオリティーを保つため全てチェコで仕上げています。欧米の大手アウトドアブランドのように大量生産はできませんが、世界最高レベルの生地を用い世界最高クラスの縫製技術とデザインで、1点1点最高の機能と外観を作るのがTilakの特徴です。
ACRONYM(アクロニウム)好き必見のTilak(ティラック)のオススメ商品
ここで、そんなティラックとアクロニウムの関係を象徴するオススメの商品をご紹介。
それがコチラ!Tilakの「Evolution Jacket(エヴォリューションジャケット)」です!
2000年にゴアテックスを使用して共同開発した「Evolution Jacket(エヴォリューションジャケット)」は、現在に至るまでTilak(ティラック)を代表する最高峰モデルとして君臨しています。いわゆるフラッグシップモデルというやつです。
Evolution Jacket(エヴォリューションジャケット)は非常に完成度の高いゴアテックスジャケットとして20年前に誕生し、これまで4度のバージョンアップを経て進化してきました。まさにその名の通り、「Evolution=進化」し続け、常に最高峰に君臨するジャケットなのです!
ちなみに2020年に、アクロニウムとティラックの協業20周年を記念してエヴォリューションジャケットの20周年記念限定モデルを世界限定200着で発表し、ファンの間でかなり話題になりました。アクロニウムとティラックのブランドロゴが入ったスペシャルな一枚です。
↑こちらがAcronym Tilak Evolution Jacket 20th annyversary edition エヴォリューションジャケット20周年記念モデル
↑Tilak(ティラック)のRoman Kamler(ローマン・カムラー)氏(右)とエロルソン・ヒュー(左)
20周年記念エヴォリューションジャケットの内側には「ゴアテックスプロ」「アクロニウム」「ティラック」のロゴがプリントされておます。通常、ゴアテックスを使用したプロダクトには表地にロゴがプリントされていることが多いですが、こちらのモデルは特別に内側にプリントされており、かなり珍しい仕様となっております。
The 20th Anniversary Evolution Jacketの為に描き下ろしたイラストデザインには、アクロニウムが拠点を置く、ドイツの国章のワシと、ティラックが拠点を置く、チェコの国章であるライオンが描かれています。XXは「10+10=20」で、20周年を意味しています。
アナザーラインPoutnik(ポートニック)とは
その後、アクロニウムとティラックは「Poutnik(ポートニック)」正式には「Poutnik -The Urban Traveler by Tilak-」という「高機能トラベルウェア」をコンセプトとしたティラックのアナザーラインも発足。
ティラックはアウトドア色が強いのに対し、ポートニックはより、アーバンでシンプルなスタイルを提案。アクロニウムが好きな人はティラックもお勧めですが、テイスト的にはポートニックの方がよりアクロニウムに近いので超おすすめです!現在ではエロルソン・ヒューがデザインを行なっていないそうですが、定番のモデルも多数あるので要チェックです。
ACRONYM(アクロニウム)の服がTilak(ティラック)の工場で作られていたことを知らなかった方は、ティラックを見る目が変わったのではないでしょうか?
ちなみに自分もその一人です(笑)
高い技術力を持つティラックと出会ったことで、エロルソンの本当に作りたかった服を追求できる環境が整い、ACRONYM(アクロニウム)はファッション業界でさらに躍進していきます。
ACRONYM(アクロニウム)の服が高い理由
ACRONYM(アクロニウム)の服は高いとか、服の型数が少ないとか言われていますが、「意図的に商品を少なくしているわけでも、高価にしているわけでもなく、最高のクオリティを追求した結果そうなった。」とエロルソン・ヒューは語ります。
コストが高くなる要因として、複雑なパターンを作ることで縫製の工程が多くなり、工賃が高くなることと、最高の素材を使用することで高くなるという理由があります。
大量生産をすることで商品の単価を落とすやり方(代表的なところでユニクロなど)もありますが、マス向けの商品ではない上に規模も大きくはないので商品数やロットを最小限に抑えざるを得ないのです。当初は意図せずにそうなってしまったようですが、それが逆にアクロニウムのブランド価値を高め、熱狂的なファンを増やす要因になったことは間違い無いでしょう。
市場に商品が溢れ返ると飽和状態になり、在庫が余るとセールにかかってブランド価値が下がるというのが多くのブランドの悩みの種ですが、価格競争をせずブランド価値を保ち続けるアクロニウムは、マーケティングの観点からも優れていると言えるでしょう。
ちなみにアクロニウムの製品は中古でも高値で取引されているのでリセールバリューもかなり良いブランドになります。
ACRONYM(アクロニウム)のコンセプト
ACRONYM(アクロニウム)のコンセプトは非常にシンプルで、「コンパクトで使いやすいものを作ること。」
「複雑なものをコンパクトな方法論で表現することを目指している」とエロルソン・ヒュー(Errolson Hugh)は語っています。
ACRONYM(アクロニウム)のデザイン
ACRONYM(アクロニウム)のデザインで最も特筆すべき点は、アウトドア、スポーツ、ミリタリー、さらには日本の空手道着や袴など、様々なウェアで使用されている高機能な素材やデザインを取り込み、人間の動きを研究して快適に動けるように設計された複雑なパターンが特徴的で、さらにそれをファッションとして高次元に昇華させている辺りがACRONYM(アクロニウム)が他のブランドとは違う最大の特徴です。
無駄に多い意味のないポケットやジッパーは説得力のないデザインになってしまいますが、全て実用的で意味があり、計算された機能は美しく説得力のあるデザインになります。
ミリタリージャケットなどからも多大な影響を受け、フライトジャケットなどのコレクターでSF作家でもあるウィリアム・ギブソン(キアヌリーブス主演のサイバーパンク映画JMなどが有名)とも繋がりがあるエロルソン・ヒュー。
日本のブランドBuzz Rickson’s(バズリクソンズ)のウィリアム・ギブソンコレクションで展開しているMA-1なども研究し、ヴィンテージのミリタリーウェアに精通しているウィリアム氏から様々なアドバイスをもらったそうです。
そのほか、ドイツ特殊部隊のメーカーであるKHS Tactical Equipment Germanyとのコラボレーションも行ったことがあり、ミリタリーや特殊部隊の服にあるようなディティールがアクロニウムのデザインに取り入れられています。
アクロニウムの服で使用されるカラーはカーキやホワイトなども多々ありますが、ほぼ黒一色で統一され、Yohji Yamamoto(ヨージヤマモト)やComme des Garçons(コムデギャルソン)、Rick Owens(リック・オウエンス)あたりの影響を感じます。
しかしエロルソン・ヒューはインタビューで「父親の話では、僕は10歳の頃、上から下まで黒だけを着てたらしい。Yohji YamamotoやComme des Garçonsが出てくる前だし、いずれにせよ、そういうブランドのことが耳に入るはずはなかったから、ちょっと奇妙だよね。父曰く、磯崎新の影響なんじゃないかって。磯崎は日本の建築家だけど、僕のまわりには建築の本がたくさんあったから、そのほうが推理としては納得できるよね。でも、後にAcronymを始めたときも、僕たちの生産規模からして、全部の業者が在庫を持っていて、発注できて、そこそこ納得できるのは、黒しかなかった。だから全部黒なんだよ」と語っています。ちなみにエロルソンの両親は建築家だったので幼い頃から建築の本などをたくさん見てきたそうです。
またエロルソンは10歳の時に空手を始め、空手道着や剣道や合気道で着る袴などからもインスピレーションを得たとインタビューで語っております。アクロニウムのプロモーションビデオでは木刀のようなものを振り回したり、空手の型のような動きをふんだんに取り入れて制作されているのもそうしたバックボーンがあるからというのが理解できます。またアニメのAKIRAからも影響を受けたと言い、未来的なデザインやサイバーパンクっぽい世界観を作る上で多大な影響があったそうです。
個人的にはアニメの攻殻機動隊や、マトリックスの影響もかなりあったんじゃないかなと思いますが… 皆さんはどう思いますか?
それはさておき、こうしたエロルソン・ヒューのバックボーンを知ることで、よりアクロニウムの素晴らしさや凄さを理解して頂けたかと思います。
今日ではテックウェアというジャンルが認知され始めていますが、テックウェアというジャンル自体、ACRONYM(アクロニウム)が作ったと言っても過言ではないでしょう。
かなり記事が長くなってきましたが、次はエロルソン・ヒュー(Errolson Hugh)が関わる他ブランドをご紹介いたします!
Tilak(ティラック)とPoutnik(ポートニック)に関しては前述したので、まずはStone Island Shadow Project(ストーンアイランド・シャドウプロジェクト)から。
Stone Island Shadow Project(ストーンアイランド・シャドウプロジェクト)
Stone Island Shadow Project(ストーンアイランド・シャドウプロジェクト)は2008年にスタートしたStone Island(ストーンアイランド)のアナザーライン。Stone Island(ストーンアイランド)はマッシモ・オスティが1982年に設立したイタリアのファッションブランド。
1996年にマッシモ・オスティが会社を去った後、Paul Harvey(ポール・ハーヴェイ)がデザイナーに就任。
その後、2008年に退任し、後任は社長のカルロ・リベッティ率いるデザインチームが担う事になります。
カルロ・リベッティはStone Island(ストーンアイランド)の社内チームに新たな方向性をもたらすために、外部からデザイナーを呼び込みたいと考えていました。そんな時ファッション業界でムーブメントを起こしているエロルソン・ヒュー率いるアクロニウムの事を聞きつけ本社に招きます。エロルソン・ヒューはストーンアイランドの可能性を感じ、すぐに協業することを承諾。
カルロ・リベッティはインタビューで「エロルソンとの夕食時に「シャドウプロジェクト」という名前を思いつきました。」と語ります。「このラインはStone Islandのおかげで存在するという考えで、ブランドの影になりますが、独自の生命があります。また、Shadow Projectでは、それをビジネスと見なさないことを決定したため、経済的に制約を受けることはありません。単純に実験するだけです。これが私たちのフォーミュラワンになります。」と語っています。
フォーミュラワン(F1)とは要するに、車の性能を追求して世界一を目指すF1レースのようにファッション業界でも世界一を目指すという意味でしょう。
Veilance (ヴェイランス)
Veilance (ヴェイランス)は2009年にスタートしたArc’teryx(アークテリクス)のアナザーライン。
1999年、エロルソン・ヒューがアクロニウムを立ち上げる前の、バートンと仕事をしていた頃にArc’teryx(アークテリクス)が最初のアウターをリリース。
リリースされた製品に驚いたエロルソンは、早速Arc’teryx(アークテリクス)の元CEOトム・ハーブストに連絡を取り、当時ほかのどこでも手に入れることができなかった「Water Tightジッパー」を送ってもらえないかお願いをしました。
その依頼を快く引き受けてくれたトム・ハーブストは、ジッパーをエロルソンに送り、ジッパーガレージのパターンも教えてくれました。そして、アクロニウムがデビューした2002年に発表されたKit-1ジャケットに初めてそのジッパーが使用されることになり、現在でも同じようにアクロニウムの製品でそのジッパーは使用されています。それ以来、トム・ハーブストとの関係が始まり、トムとエロルソンはお互いの事務所を行き来し、アクロニウム製品のプロトタイプを見せて意見を聞くなど良好な関係を築きます。
その後、2007年にアークテリクスがVeilance(ヴェイランス)を立ち上げるため、エロルソンにデザインチームに入ってもらえないかオファー。快諾したエロルソンは、アークテリクスのデザインチームと共にプロジェクトに参加し、2009年の最初のリリースから約5年間、Veilance(ヴェイランス)のデザインに携わります。
NIKE ACG(ナイキACG)
NIKE ACG(ナイキACG)は、1989年に誕生したナイキのアウトドアライン。
ACGとは”All Conditions Gear”の略で、発足当初はエアマックスの生みの親ティンカー・ハットフィールドや現CEOであるマーク・パーカーらも参画していました。
時を経てNIKE ACG(ナイキACG)は2014年にエロルソン・ヒューをデザイナーに迎えリブランディング。
いかにもアウトドア的なカラフルな色使いではなく、アクロニウムの雰囲気に近いアーバンでスタイリッシュなデザインを提案。都市生活にも馴染むような洗練されたアイテムを多く打ち出し、アクロニウムの人気もあってファッション好きな人たちの間で人気を博しました。
しかし2018年秋冬シーズンを最後にエロルソン・ヒューはACGを離れ、2019年の春夏からRebecca Aleman(レベッカ・エイルマン)が後任デザイナーに就任。エロルソン・ヒューのテックウェア感は抑えられ、よりカラフルでポップなアウトドア感溢れるデザインに変わりました。その後エロルソンはACGではなくNIKEのスニーカーをアクロニウムとコラボという形で数型リリースし、即完売させるなど、熱狂的なファンを獲得していきました。
これらのブランドのほかに、エロルソン・ヒュー率いるアクロニウムのデザインチームは、Herno LaminarやiDiom、Analog USA、Bagjack、さらにDISAERAN(ユナイテッドアローズとのコラボ)なども行うなど、様々なブランドとコラボし、成功を納めています。
まとめ
かなり長い記事になりましたが、いかがだったでしょうか?
今回、アクロニウムの歴史やエロルソン・ヒューの関わってきた仕事について調べれば調べるほど、以前にも増してアクロニウムの大ファンになってしまいました。(笑)一着20万〜30万ほどするので、なかなか手が出しにくいかもしれませんが、高いだけの価値はありますので一着でも持っておいて損はないかと思います!
とは言え、もう少し安い価格でテックウェアを試してみたいと言う方は、「アクロニウム以外もすごい!テックウェアブランドのお勧め27選」という過去の記事でお勧めブランドを詳しくご紹介しておりますので、こちらもオススメです!